写真が心身にもたらす影響

【1】写真活動がもたらす<心理的な影響>の一例

 

写真活動は、生きがいや意欲の向上につながるほか、写真を撮ることで自信や意欲、自律心や自己信頼、自尊心を高める、一緒に撮られることで同族感や親近感が高まる、コミュニケーションを増す、写真をコラージュすること自己洞察を促進する、写真を見ることで現実を直視させ、歪んだ記憶や認知を修正する、過去の記憶を引き出し、人生を振り返るツールとなる、自身の笑顔の写真を見ることによりポジティブなイメージが心の痛みを緩和する、など、様々な心理的な影響を与えることが社会心理学、発達心理学、臨床心理学、精神医学、心身医学、人間科学、脳科学、認知科学、看護学などの側面から報告されています。

 

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【2】写真活動がもたらす<身体的な影響>の一例

  

写真活動は、脳の様々な部位をダイナミックに動かすため、脳の健康や高齢者の認知機能の維持に役立つ可能性がある、好きな写真を見ることでアルファー波が出てリラックス効果がある、唾液中アミラーゼ活性が低下してストレスが改善され、若返りホルモンの分泌が写真鑑賞後も持続する、など、主に脳科学や認知科学、心身医学などの側面からの報告

されています。

 

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なお、私たちが<写真の効用>を考えるとき、いくつもの要素が影響しあって、それが複合的な効果につながっていると考えられます。なぜならば、写真活動には以下のように様々なプロセスがあり、各プロセスごとにもたらされる影響が組み合わさり、人の心や体に作用するからです。また、撮るプロセス一つを挙げても、デジタル写真、ポラロイド写真、フイルムモノクロ写真、フィルムカラー写真など、種類が豊富で、これらの多様性も異なった心理的影響を与えることが考えられます。

 

(1)写真を撮る効用

(2)誰かと一緒に撮る効用
(3)写真に写る(撮られる)効用
(4)誰かと一緒に写る(一緒に撮られる)効用
(5)自分の好きな写真を見る効用
(6)自分が写っている写真を見る効用
(7)誰かに写真を見せる効用
(8)写真をコラージュする効用
(9)写真を語る効用
(10写真を飾る効用
(11)写真を贈る効用

 

上記のような写真活動の<複雑系>を温泉の効能で例えると、温泉が健康によいのは、温熱効果、水圧効果、浮力効果など、体によい作用がいくつも存在することに加え、心理的な影響としては、転地効果やリラックス効果、更に温泉の薬理効果も加わり、これらが組み合わされて温泉・入浴の効能を作り出しています。写真活動も同様に、上記に示したようなプロセスごとの効用が組み合わされて、人の心や体に影響をもたらします。 

 

これら「写真の効用」の内容については、順次、当HPや公式FB、協会の会報誌「季刊・写真療法」の中で、また「写真の効用」に関する講座や講演会として発信してゆきます。写真の効用や写真が心身に与える影響についてご興味ある方はどうぞご参加下さい。

 

                          著・酒井貴子 (2017.9.26) 

                              Updated 2017.10.26

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